街の佇まいを面にして見てみれば
でこぼこした形が写真のように見える
なんて云うのは俺の想像で
本当はこの目は写真のようには
見せてくれやしない
そこに形ある物を、形としてしか
捉える事の出来ない不器用
だからほら……あの家やビル
線路や商店街の奥行きや側面
背景や内側にまで思考を及ぼす
見えないモノを見る無力
見えないモノを見る努力
だからいつも目に見えない様々を
こんなにも求めてしまうんだ
“見えている”と“知っている”
この両者は違うのだ……と、
どれだけ言い聞かせてみても
想像で形造る俺の目と心と思考
この道の先が見たいなら
不器用なモノになんて頼らずに
そこにまず行ってみればいい
気になるならまずそこへ……
笑夜