眠れなくって、寝苦しくって、

枕をぎゅっと抱きしめた。

想うのは決まっている。

無機質な枕が腕に丁度良く、

空いた二の腕に僅かな重み。

でもそこには、

鼻を擽る香る髪はない。

胸元にかかる寝息はない。

柔らかな胸の心地良さはない。

伸ばせば届く丸い桃はない。

ギュッと力を入れると、

漏れる吐息も聞こえはしない。

要するに君じゃない。

要するに無機質な枕。


髪を撫でる振りだけして、

無理に眠りにつく午前4時。

せめて夢でと願うものの、

叶わない事は

知ってるんだ。





笑夜