この窓の細い隙間は

俺には見えず

ただ薄く尖った冷えた風が

風の切っ先だけが肌を刺す


逃避するほうけた神経は

その刃にいとも簡単に切られ

サクリと意識が目を醒ます


これが現実とそうでない所との

か弱く心細い僅かな違い


この刺激もまた

君の横を通り過ぎて来た刃かと

そう思えば 痛みすら感じない


どこかで それを待ち望み

窓を薄く開けていた

自分の理性と君への想い



今はそれが 辛うじてのリアル





笑夜