ある日出逢ったじいさん
老衰間近……よぼけた口元
皺が年期を露呈し
吸った煙草の煙すら浸透す
乾いているのなら
その煙で燻され、スモークになる
そんな心配を余所に
萎びたじじいが口を開く
発せられる人生讃歌
声量は僅かだが重量は過大
ミゾオチ辺りに響くのは
小さく大きな声の拳
ただ安易に意味もわからず
格好良さをしみじみ感じた
生きてきたのだから
草臥れもするよな、じじい
闘ってきたのだから
乾きもするよな、じじい
這いずってきたのだから
皺も深くなるよな、じじい
その使い込まれた体に宿る
凝縮した塊が今の俺に見えるなら
じじい
貴方の格好良さには
とてもじゃないが及ばないが
少しはましになれるかなぁ……
今も俺のミゾオチは
貴方から受けたダメージを残す
笑夜