月に見る陰影は
写真で見る其れとは
恍惚さが異なる
此がリアルの持ち合わせる
奥行きの儚さだ
月に見る陰影は
色と線の其れとは
彩りが異なる
此がリアルの持ち合わせる
光と陰の虚ろさだ
弦の上下で指し示す
確固たる光の存在、有る方角
計り知れない光を浴び
尚もくっきりと
陰の境目を露わに残す
時折陰なく輝き
時折深く沈み込み
時折姿さえも隠す
月に見る陰影を
瞳でなぞりながら
立体感を心に留める
胸中に浮かぶ丸い月
此が俺のimage
此が俺のリアリティ
此が俺の光と陰
胸の中で静かに
しかし確実に回る
俺のリアルな心の月
今は細い下弦の三日月
三日月の陰影
陰深く
隠れ潜む丸い塊
光僅か……
笑夜