抱きしめると潰してしまう

力無い俺の唯一の自信

それでもいいなら側に来て

唇を俺の前に差し出してみればいい

瞼で隠れた黒目の中心で

君を透かしてやろうとするから

抵抗しても構わないよ

それが本気か試してみたいもの

ただね……

腕の中に入ったが最後

君は誘惑には勝てないはずだよ

そして解けない、この腕は

それは君を潰す程抱き締めるから

そして奪うんだ

その唇と戸惑いの心までも

ただその後に君は必ず


闇に犯され、侵される


俺はまたいつものように

目と心を閉じるだけだ





笑夜