だって明王寺といったら…。
日本、いや世界でもトップレベルの財閥だったはず。
明王寺財閥。莫大な資産を持っていて、血筋は西園寺家よりももっと古く、遡れば平安時代から続く名家。
どうしてこの人は働いてるんだろう…?
明王寺さんはクスッと笑って、また口を開いた。
「僕の趣味、趣味と言っては、あれかな。まぁ仕事とは関係なくドレスなどを作っているんだ。西園寺家とは長い付き合いだから、親愛の印に。」
明王寺さんは恭しく一礼した。
「そ、そんな!ありがとうございます!とっても嬉しいです!」
お世辞抜きにそう思った。こんな人に私のドレスを作ってもらえるなんて!
「ありがとう。じゃあ着てみたいドレスのイメージを聞かせてくれる?」
「え…。イメージ、ですか…。」