聞きたいことはたくさんあるはずなのに、どう口に出していいか分からない。
だって、これを尋ねるのは夢さんの心に踏み込むってことだから…。
これはあくまでも直感だけど、夢さんの抱えている問題は、きっと軽いものなんかじゃない。
暗くて、苦しい…そんなシリアスな問題だと思う。
「今日は色々ごめん。花織のことも…。驚いたよな。本当にごめん。」
夢さんはそう言って、少し茶色っぽくて緩くウェーブがかかった髪に指を入れて、くしゃくしゃとかき回した。
「彼女は僕のミューズだ…って言ったの覚えてる?」
こくんっと首を縦に振る。