前はお屋敷に誰もいなかったけど、今日はメイドさんらしき人がいて、前にも来た明王寺さんの自室へと通された。



「…ミュウ。突然で悪かったね。」



明王寺さんが微笑みながら優雅にソファから立ち上がる。



「いえ、大丈夫です。」


その時部屋の窓の近くに誰かが立っているのに気がついた。



「あ…。」




その人がゆっくりと振り返る。




う、わぁ…。



思わず息を呑んでしまうほどの美貌。

男性か女性かも判断が難しい中性的な顔立ち。




柔らかそうな耳には桜をモチーフにしたピアスが輝いていた。