「へっ!?」
驚いてカップを落としそうになってしまった。
「ほら、呼んでみて。下の名前。」
切れ長の目がいたずらっ子のようにキラキラ輝いている。
「えぇ!?」
「夢って呼んで。」
別に呼ばなくたって良いのに…。拒否すれば良いのに…。
その甘い声に捕らわれたかのように、私の体は動かなくなっていた。
なぜか、あのエメラルドグリーンの瞳に見つめられると、従ってしまう。
「…夢…さん。」
夢の中にいるみたいに、全てが遠く感じる。
「そうそう。これからも夢って呼んで、ミュウ。」
そう言って優しく細められたエメラルドグリーンの瞳にクラクラと目眩を感じた。