「この携帯電話は我々と連絡をとるものです

沙耶さんに渡して下さい、と組長から伝えられています」



「そうですか…
でも受ける事は出来ない…

お金の事もありますし第一、自分の物とは言えませんし…」



「でも組長からの頼みですので‥」




初めて林健が言葉を濁らせた



困っているようだ




「なら、この携帯は受け取りますが‥代金は私が払います…

それなら受け取ります…」



「…」




林健を完全に困らせてしまったようだ




「…組長に確認を取ってみます」




少しの間、沈黙が続いたが林健が口を開いた



そう言って林健は席を立って電話を掛けた




少しして林健が戻ってきた