店員が鞄も何も持っていない制服姿の私を怪訝そうに見ていた
「こんにちは」
丁度、紅茶が飲みおわった頃に林健はやってきた
「こんにちは…」
「学校、やめたんじゃないんですか?」
私が制服姿だったのを見て林健は訊いてきた
「辞めるので挨拶をしに…」
「そうでしたか」
林健はニッコリを笑った
店員が来て林健はコーヒーを頼んだ
「それでお話とは…」
運ばれてきたコーヒーを一口飲んでいる林健を見て言った
「この携帯電話と鍵を渡そうと思いまして」
林健は懐から黒い折り畳み式の携帯電話と誰もが見た事のあるような鍵を机の上に置いた
「…何でですか?」