「朱音先輩!」

「ん?」

「七美の"かっこいい人"はあの人です!」

「悠勝手に言わないでー」
「…えー!!」

自販機の近くにいた人達が一斉にこっちをみた。

「あっ…す、すみませーんなんでもないでーす…あは、あははは…」

そう言って朱音先輩は私たちを連れて中庭へ移動した。

「七美あの人なの!?」

「…はい。」

「そっかー…あのね?あの人ね?」

「…わかってます。彼女いるんですよね?」

「あ…知ってたんだ。」

「はい!本気で好きじゃなかったですし!!まず話したことないからですね!!」
そう話したことないもん!実際かっこいいって言ってただけで好きな人は翔だし…(あれ以来会ってないけど)

「そ、そっか!!七美ずっとかっこいいって言ってただけだもんね!!」

「悠、別に気ぃつかわないで!」

「あっうんわかった!」

「確かにあの人はモテるもん。」

「彼女って…」

「あっ彼女は他校で、たぶん七美たちのタメ。」

「年下なんですか!?」

「うん。で小学校からの幼なじみらしいよ?」

「すごいですね…」

私と翔ももし付き合えたらこんな感じかな…
とか考えてみたり…
でもものすごく幸せだと思う。

「その人の名前はなんですか?」

「あっえーっと、私は"カケル"って呼んでる」