陰陽師と暴走族の子供【*編集中*】

しばらく怪しいクラスのドアの前に立っていると、


?「あれ?さっきの人達…?」


私達に近付いてきた人は……


夜月「犁ちゃん!」


そう、佐久間 犁ちゃんだ。


犁「そんな所で何してるんですか?」


犁ちゃんは、首をかしげて聞いてきた。


夜月「いや、ちょっとね…」


勇斗「おい、ここのクラスどうなってんだよ!?」


勇斗が犁ちゃんを問い詰める。


犁「このクラスの人達は、桃希が行方不明になってから、授業も受けない、他のクラスの子と話さないの」


美希「えっ、でもさっき遠子って子が話してくれたけど…」


遠子って名前に、ビクッと犁ちゃんは反応した。


………?


犁「遠子は………このクラスの」


ガラッ


ダンッ!


ピシャッ


夜月「えっ…?」


今、一瞬で有り得ないことが起きた。


それは、犁ちゃんが喋ってる時に、教室のドアが開いて、誰かが犁ちゃんの腕を掴んで、中へ無理矢理連れて行き、ドアは閉まった………ということだった。


葵「犁………ちゃん?」


葵がドアに近付き、犁ちゃん犁ちゃんって言う。


犁side


遠子について話そうとしたら、教室の中に連れて行かれた。


犁「えっ、ちょっ!?」


誰!?と言おうとしたら、口を布で塞がれた。


犁「んんん!!」


遠子「犁ちゃ~ん?」


ニヤニヤした顔で私のところへ来る遠子。


犁「んんん、んんんん!!」


布のせいで、上手く話せない。


遠子「何いってるのか分かんな~いな~♪」


ニッコリと微笑む。


遠子「それより、あなたクラスのことおろか、私のことを話そうとしたわね?」


何となくそっぽを向く。


遠子「お仕置きしなきゃあねぇ?」


ビクッ


以前、私の友達がお仕置きされたことを思い出した。


遠子「殺りなさい」


数人の生徒が、バットなどを持って近づいてくる。


犁「ん……んんんんん!!!」


夜月side


私達は、犁ちゃんが中に入れられてから、ずっと教室の前にいた。


中々出てこなくて、かれこれ2時間ぐらいだ。


すると突然、


「ん……んんんんん!!!」


という有り得ない叫び声が聞こえた。


葵「今の、犁ちゃんの声!?」


葵が顔をあげ、ドアを横にスライドしようとしたけど、スライド出来ない。


葵「どうして鍵が閉まってるのよ!」


葵は力尽き、床にペタンと座りこむ。


紅音「…………もしかしたら、何かされたのかもしれない………」


滅多に開かない紅音の口が開き、そう言った。


紅音の言葉通り、何かされたのかもしれない。


美希「遠子って子のことを言おうとしたから……?」


美希、それって、私達のせいなのかもしれないって事?


遠子って子のことを聞こうとしたから?


そのせいで、犁ちゃんが…


勇斗「夜月、また変な考えしてんじゃねぇだろうな?」


変な考えって…


夜月「してないよ」


たぶん私は今、苦笑いしてると思う。


勇斗「………そうか」


なに、その間…


葵「それより、犁ちゃんを助けないと!!」


葵が私の服を引っ張って、怒鳴る。


「君達、何をしてるんだ!早くそこの教室から離れなさい!!」


中年の男の先生が言って、私達を退かせた。


夜月「えっ、何で!」


「早く帰った方がいい。帰りなさい」


何で先生まで…?


「早く早く…」


先生が私達の背中を押して、階段へと向きを変わらせた。


「気を付けて帰りなさい」


先生は、桃希君の教室の前で土下座をして、謝ってた。


葵「あの先生、ムカつく!!」


葵は、綺麗な顔に皺を寄せた。


夜月「…………夜、忍び込もう」


私は、皆の方を向き、力強く言った。


「「「「うん!!(おぅ)」」」」


そして、私達は、夜を待った。


in夜


フュゥゥゥゥ


冷たい風が吹く中、私達は桃希君の教室の前にいる。


一応、私達は陰陽師&巫女な訳で、簡単に中に入れた。


勿論、術を使って。


葵「鍵が掛かってるみたい!」


勇斗「職員室行こうぜ、職員室」


勇斗が親指でクイクイとする。


鍵………鍵……鍵…鍵!…鍵!!


鍵で思い付き、目を閉じる。


頭の中で鍵をイメージする。


………っ!!


夜月・美希「違う!鍵は図書室!!」


私と美希は、同じことを考えてたらしく、ハモッた。


ダッシュで私達は走り、図書室へと向かう。


ガラッ


何故か戸締まりしていない図書室。


美希「不用心だよね~、まったく」


そういいながら、鍵保管室と書いてある部屋に入る美希。


美希「あった!これだよ、これ!」


美希が鍵を私に渡した。


夜月「ん。じゃ、行こっか!」


今度はゆっくり、のんびりと教室へ向かった。


理由は、さっき先生が見回りに来てたから、走ってたらバレるから。


早く教室に駆け込んで、犁ちゃんを助けたいのは山々だけど、見つかっては追い出されるに決まってる。


だから、我慢して歩くしかない。


カチャカチャ


鍵を開け、ドアを開ける。


ガラッ


夜月「犁ちゃん!!」


入ってすぐに呼び掛けるが、教室はしーん…と静かで、返事は帰って来ない。


机や椅子は全部後ろに下げられてる。


葵「ヒィッ!」


葵が小さな悲鳴をあげた。


悲鳴をあげるのも無理はない。


床や壁、机など、この教室にある物全てが血塗れで、教室の隅っこには、バットやナイフなどが置いてある。


犁ちゃんの姿はない。


勇斗「チッ いねぇか」


勇斗が舌打ちをして、机をガンッと蹴る。


教室には誰もいない。


紅音「………移動したのかも……」


小さく紅音の口が開く。


その線は有り得る。


あの犁ちゃんの叫びからして…


美希「犁ちゃん………大丈夫かな」


空を見て、そう呟いた美希。