「おい、暁ー、ってお前
模試直ししてんの?!!」

ノートを持って近づいてきた
形だけの友達。
仕方なく手を止める。


「で？今日って、
そんなに難しい課題出てたっけ？」

お前の目的は、僕じゃなくて
僕の課題がしてあるノートでしょう？


「いや、課題じゃなくてさー。
今日、俺数学で当たる番なんだよね！」

「あー、はいはい。
…どーぞ。」

「さんきゅー。
ついでに他の問題も写すから
ノート借りるな！」

「いつもの事だろ。
授業までに返せよー。」


本当は自力で仕上げたものを
写されるのは、嫌だ。

何も苦労していないアイツと
昨日、徹夜で勉強してた僕が
評価の上では同じと見なされる。

そう考えると、俺の努力の意味が
分からなくなる。

というか、無意味だと思い知らされる。



「朝から、疲れる…。」

今日はいつにも増して
ネガティブだ、僕。