机に置かれていたのは菊の花。
わざわざ花瓶から出された状態で置いてある。おかげで机はびしょびしょだ。

菊の花の花言葉は”高貴”。
僕の机に置かれている白の菊は”真実”。

菊は国花であるが
輪菊と小菊がお供えとして
多く用いられるため、
縁起が悪いイメージがある。


確かに虐められている者の机の上に
置かれているイメージすらある。


そんな無意味なことを考えながら
机に足を運ぶ。


虐める方の奴らはニヤニヤと笑っている。
僕が傷ついていると思っているのだろう。
確かに気持ちが良いわけは無い。


他の奴らは心配そうな顔で僕を見る。
でも誰も助けてはくれないだろう。
だって結局みんな自分が一番だから。


そもそもこの菊は教室の後ろ、
ロッカーの上に置いてある花瓶の中のものだろう。
学年主任の趣味なのか、
この学年の全クラスに置いてあり
気づくと別の花が飾られている。

僕は机に置かれていた
菊を持つとその花瓶に戻そうと
教室の後ろに向かった。


いじめっ子軍団が居座るあたりに
花瓶はあった。