「おはよう、暁。」
「ん、おはよう。」
向かいの席のお父さんは朝から
普通に食べられる人なので
ご飯に味噌汁、目玉焼きにサラダなど
僕からしてみれば
見ているだけで吐いてしまいそうな量を
毎日食べている。
たぶん、お父さんが普通で
僕がおかしいのだろうけど。
コーヒーを飲み終えカップをキッチンへ。
新聞はお父さんが
家に帰ってきたら読むので
きれいにたたんでソファに置く。
洗面所に向かい歯磨きをして、顔を洗い、
寝癖は少し水でぬらせば、それでいい。
普段より睡眠時間が多かったからか
普段よりは顔色は良い、気がした。
そしてリビングに置いておいた
鞄を持って
「いってきます。」
「いってらっしゃい。」
学校へ。
朝日が眩しい。
ヘッドフォンをしようとしたところで
誰かの手にそれを阻まれた。
誰かなんて
「俺様が隣にいるのにシカトしようなんて
良いご身分だな。」
この人しかいない。