―――…ふぅ。

最初はレヴィが邪魔してくるんじゃないかと
思っていたけど、意外にも何もしてこない。


だから僕はいつも通り。

課題、予習、復習を済ませれば
次は大学受験用の問題集へと
手を伸ばす。


「暁ー、ご飯よー。」

えっ、と時計を見れば
帰宅してから既に
3時間が経とうとしていた。

問題集に伸ばしていた手を引き
椅子から立ち上がれば
レヴィはベッドで寝ていた。

気持ち良さそうなので
寝かせておくことにして
リビングへ向かった。


リビングのドアを開ければ
見慣れた背中越しに新聞紙が見えた。

「お父さん、帰ってたんだ。」
「おぉ。ただいま。」
「おかえり。」

帰ってからご飯になるまで新聞を読むのが
お父さんの日課だ。

「今日はカレーよ。」
「うん、いただきます。」

大きい皿から順に
お父さん、僕、お母さん。

と言っても僕とお母さんの量に
大差は無い。


「お父さん、ほらこれ。
暁の模試の結果。頑張ったのよね!」

「おぉ、すごいじゃないか。
頑張ったな、暁。」

…今日のご飯は不味く感じる。