鞄を机の横の引き出しの上に置く。

運動性に優れない、平凡すぎて
生徒からは「ダサイ」と評判の制服を脱ぐ。



「お前、細すぎじゃね?もっと食えよ。」

…存在を忘れていた。
いつもこの部屋には僕しか居ないから。

(普通です。食べ過ぎたらお腹壊すので。)

ってゆうか

(そんなに見ないで下さい。)

「へいへい。」


まぁ、そんなに気にするタイプでもないので
注意だけして下を脱いでジャージに履き替える。


「(…やっぱ細っ。)」


脱いだ物を一度下りて洗濯籠に入れて
再び部屋に戻る。

勉強机のいすを引き、
座り心地を改善するための
クッションの上に座る。

隣においてある通学鞄を開けば
教材でパンパンだ。


(絶対に邪魔しないでください。
この部屋の物なら
自由に使って下さって結構ですので。)

言いたいことだけを伝えて
耳にヘッドホンを当てて
対して好きでもない歌手のメドレーを流す。