手招きをされて、
何をしただろうかと、
先生の元へ行く。
「お前なぁ。皆がお前の解答を
写ししてばかりで、
ろくに授業を聞かないのは困るんだよ。
分かるだろ?」
ついに痺れを切らしたのか
先生は僕に注意をしてきた。
何で、僕が注意されなきゃいけないんだ。
「はい、すいません。」
僕だって喜んで皆に
見せているわけじゃないのに。
「お前が成績がいいのは分かる。
でもな、他の奴らの中には
受験する奴だっているんだ。
そいつらの事を本当に思っているなら
ノートの解答を写させるなんて止めろ。
ちゃんと断れ。」
「はい。」
じゃあ、先生はどうしてそいつらに
注意しないんだろう。
僕なんかに言ったって。
僕は断れないのに。
「もう戻って良いぞ。」
先生は威厳を振りまきながら
教室から出て行く。
その後は、最悪だった。
先生との会話を聞いていたクラスの奴が
僕のご機嫌取りにやってきた。
「大丈夫、ちゃんと今まで通り、見せるよ。」
そう答えれば、皆去っていったけど。
また1つ、穴が開く。