「ほら、お前ら席付けよー。
もうチャイム、鳴るぞー。」

「うわ、もう来たよ。」
「待てよ、俺まだ途中!」
「中村、ありがとな!」

慌てて返されたノートは
若干汚くなっている。

お前ら、人様のノートは
もっと丁重に扱えよ、とは思う。
が、思うだけで声にはならない。

「どういたしまして。」

笑顔で返して、そっとため息をつく。


そしてチャイムが鳴り、
やっと授業が始まる合図が鳴る。

「きりーつ、れー、ちゃくせーき。」
「はい、始めますっと。休みは?
…なしっと。教科書35ページ開けろー。」

一時間目は英語。

主に日本語の英訳をする。
出席番号順に黒板に答えを書き
先生が、答え合わせ、解説をする。

「今日は、小田から清水まで。
前に出て、書くように。
他の奴らは、まだ仕上げてない奴は
早く仕上げるか次のとこ予習しとけ。」


そういって、当たった奴らは
ぞろぞろと前へ出て、
各々、アルファベットを並べて
英文を作っていく。



その全てが、僕の答え。

間違っていたら、どうしよう。
そんな不安がよぎる。