「ゆりちゃんは、どこにすんでるの?」

彼は、手を握ったまま、

私に、話続けた。

「兵庫県三田市〇〇台■丁目△番地…」


私は、ずっと病室の子達としか話していない。

人と話すことになれない。

私は、かずきくんの様子を見ながら、

おそるおそる、

自分の住んでる場所を口にする。


「ほんと?僕もその近くだよ?■丁目▲番地!」


彼が口にした住所は、私の家の二本向こうだった。

「これから、いっぱい遊ぼーね!」


すごくすごく嬉しかった。

こんな近くに、

こんな優しくて、

かっこいい男の子がいたなんて。