「ズズッ・・・それだけだから、じゃあ・・・」

また全力で走って帰ってやろうかと思っていたら不意に腕を掴まれた。

「な、なに」

前を向いたままそれだけ言った。

今振り返ると止まらなくなると思ったから。

なぜならもう私はシアンに惹かれていた。

いや、恋をしていた。

「別に。ただちょっとか、可愛かったから・・・。」

顔から火が出るとはこのことだと思った。

「な、なに言ってんの?!ばかじゃないの?!あーあっつー。」