「彼氏さんと別れたんですか」

壱くんが口を開いた

本を見たままだけど

「え」

何でそんな事聞くの?

てか、何で彼氏いるって知ってんの?

「おととい、ナミにCD借りに行ったときに、一之瀬先輩と電話してるの聞こえちゃったんです」

あの電話か

「・・・別れてないよ」

あたしはうつむいて言った

「だって、夜だったし、暗いし、見間違いかもじゃん。それにさ、その女の人は妹かもだし。ほんとにただの知り合いかもだし」

そう

冬耶に限ってそんな事あるはずないの

あたしは冬耶を信じてるもん