「杏奈!聞いたよ!!一之宮と付き合うことになったんだって?おめでとう。」
可鈴...
「ありがとう。翔大も付き合ってるんだって。」
「えっ?!誰と?」
「...夏帆ちゃんだってさ。」
「マジで!すごいね。でも意外かも。」
「何で?」
「だって翔大は...」
「翔大は?」
「あ...」
と可鈴が言いかけた時、
「何してんのっ?」
翔大が話に入ってきた。
すると可鈴は
「やっぱ...何でもない。」
ダッ
「え?!...そっか。」
何だったんだ?
「杏奈。」
「ん?」
「あ、ごめん。『杏奈』って言わないほうがいい?」
え...
「な、何で急に?」
「あ!いや、そのっ...宏斗にだけ『杏奈』って言われたほうがいいのかなって。」
ズキン...
「やだ...」
「へ??」
「ずっと...『杏奈』って呼んでよ...」
「...杏奈。」
「変な気遣いなんて...あたし...」
う...う...うぁぁぁぁぁぁ!!!
「あ、杏奈!」
何でだろ。
涙が...止まんない。
「...杏奈、ちょっと来て。」
うぁぁ...
「...え?」