「はよ、杏奈。」







「翔大、おはよ。」







「...よかったじゃん。」








え?







「あんなにいいやつ他にはいないぜ。」










ドキッ







ん??







これは一之宮に対しての『ドキッ』?








それとも、翔大に対しての『ドキッ』...なの?










「どうした?」









「ん?!なんでもない。」










「そっか。」








「ってか翔大は好きな人いないの?」









すると翔大は俯いてしまった。









あれっ?変なこと聞いちゃったかな??









「...るよ。」









「えっ?」









「...付き合ってる人がいるよ。」









ズキン








ウ、ウソ...でしょ......








「それは誰?」









翔大の口から出た答えは驚くべきものだった。








「白井...夏帆。」









...白井、夏帆?








どっかで聞いたことあるような...





















『あ...すいません。私、学年の人はだいたい覚えてるんで。』









『杏奈さんですよね?和泉杏奈さん。私と隣のクラスで学年1背が高い女の子。』








『私は白井夏帆といいます。よろしくね。』






















「あっ!あの可愛い子だ!!すごいじゃん。」










「うん...」









「あんなに可愛くて優しい子なかなかいないよ。おめでと。」










「うん...」










「じゃあ、教室いこっか。」











「うん...」










まさか、あの夏帆ちゃんと付き合ってたなんて...








ズキン









嬉しいはずなのに...なんだ?この気持ち...








翔大も元気なかったし...








大丈夫かな......







その時の翔大の顔は今にも泣きそうだった...







あたしの顔は...笑ってたかな?