美桜の期待はいっきに不安に変わった。
(なんでこの中でうちが誘われたの!?)
美桜以外は、いつもクラスの中心に立つ人物。
お目立ち度MAXな人たちと言った所だろうか。
美桜はなぜ地味で目立たない自分がこの中に誘われたのか、訳が分からなかった。

カラオケが始まって1時間。学校では“南野マナ”の曲でも歌おうかと考えていた美桜だったが、結局今までずっとタンバリン。
このメンバーの前で歌う勇気など美桜にはなかった。
(あー早く帰って桜木くんの新曲聴きたい。)
美桜はそんな事を考えながら、タンバリンを鳴らしていた。