「うん。いいよ。」
遥香の不安をあっさりと裏切り、
宏也はケータイを取り出し微笑んだ。
よかった…!
遥香は嬉さで胸がいっぱいになった。
「あ、オレンジジュース…」
「え?」
席を立とうとした宏也がぽつりと呟いた。
「あ、いや、ここのオレンジジュースね、手作りだからすごく美味しいんだ。遥香ちゃんもたのんでるから…。」
宏也の視線がチラリと遥香のオレンジジュースに向けられた。
「ここのオレンジジュースね、手作りだからすごく美味しいんだ。」
「手作りなんですか!」
「ここのレンジジュースは特別なんだ…
ここの飲んじゃったら他はありえねぇ(笑)
あんま人には言わないんだけど…」
「えっ…そんなにですかぁ!?(笑)」
「遥香ちゃんなら分かってくれそうだなって思ったんだけど…」
宏也は苦笑いを浮かべながら遥香の様子を伺っている。
っ…!なにそれ…嬉しい
「確かにすごく美味しいですよね。
オレンジそのままの味って言うか…
普通のよりドロッとしてて飲み応えもあるし」
「やっぱり!遥香ちゃんもそう思う!?
うわーマジで分かってくれる人に出会えた!
…って引くか(笑)」
「そんなことないですよー(笑)」