しまった。
注文を終え、あたりを見回した遥香は肩を落とした。
席あいてないじゃん。今日はホントツイてない…どうしよ…
「あの…」
振り向くとそこには大学生くらいの爽やかな男性が立っていた。
「もしよかったらここどうぞ。」
その男性は向かいの席を手で示した。
ありがたいけどいいのかな…
でも相席他の席空きそうにないし…
「でも、いいんですか?」
「ええ。よろしければ。」
じゃあ、座らせてもらおうかな…
「すいません。ありがとうございます!」
遥香は遠慮がちに席についた。
「いいえ」
わ…かっこいいなぁ。大学生くらいだよね?
「その制服、城岡高校のですよね?」
「え!?知ってるんですか?」
「ええ。俺、卒業生なんですよ。」
じゃあ…この人は先輩ってことだ!
「あの…お名前は?」
「鈴本宏也です。君は?」
「あ、日向遥香です。」