わたしは、目の覚めるような赤いレインコートを翻し、スクランブル交差点を東に渡りました。


最盛期を過ぎたツツジの、元花弁。



わたしは手を伸ばすと、枝をポキリと手折りました。




――― あなた方は身勝手です。


「身勝手なのです。わたしには枯れたあなたが美しいのです」




雨情物語③<花の色は>