「っ!」


ビクン、と私の身体が跳ねた。

私の頭に乗る、その重さ。

兄の手が私を落ち着かせようと、優しく私の頭を撫でている。

……でも、落ち着くことのない、私の心臓の鼓動。


「友美?あいつのこと……好きなんだろ?だったら、不安なことあるならちゃんと話せばわかってくれるって。圭斗なら、大丈夫だ」

「……」


……わかってる。

そんなこと、わかってるよ。

わかってる、けど!


この手のせい、なんだよ?

私がこんなに悩んでるのは……!


「……離して」

「え?」

「離して……!」

「!」


……私は兄の優しい手を、振り払った。