「隼人が友美を好きだってこと。俺はずっと知ってた」
「!」
「……そして、友美の気持ちも、な。隼人も気付いてるんだろ?分かりやすいからな、あいつ」
「……いつからだ?いつから知ってた?」
「中学入った頃かな。俺が友美を好きになった頃だよ」
「マジか……ていうか、圭斗、そんな前から好きだったのか?友美のこと」
「まぁな。二人は気付いてなかっただろうけど。2年前に付き合うことになったことを言った時も、おまえショック受けてたもんな?」
「……はぁ……。圭斗は全部見えてたんだな」
「……ツラかったよ?正直。気付きたくないことにも目が行くんだからな」
「悪い……」
すまなそうに謝る隼人は、本当に人が良すぎると思う。
……だから、友美の心を手に入れている隼人を憎もうにも憎みきれないんだ。
「謝られると余計傷付くって。二人の間には入れないんだって」
「……そんなことないだろ?事実、おまえと友美は結婚を考える仲なんだから」
「……そんなの、表面的なことだろ。しかも、返事をもらったわけでもない」
「……でも。オレと友美は、絶対に一生、交わることはない。でも……おまえと友美は違う。交わる可能性はいくらでもあるんだから」
「……そうは思えないけどな」
この先、俺と友美の気持ちも交わることはないだろう。
それを承知の上でのプロポーズだった。
友美が仕方なく俺を選ぶことになっていても、俺はそれを受け入れるつもりだ。
友美の隼人への想いごと、受け入れる覚悟なんてとっくにできてる。