――それからは。
デートに誘っては、冗談を言うように告白をする。
……もちろん、告白は冗談なんかじゃなく、本気だったけど。
それを繰り返した甲斐があったからか、最初の告白から半年後。
ようやく、友美からOKの返事がもらえた。
飛び上がりそうなくらい喜んだことは、誰にも言えないけど。
*
覚悟はしていたけど、友美の心の中にはいつでも隼人がいた。
たぶん、俺のことは恋人として好きでいてくれてると思う。
でも……友美の中での一番はまだ、隼人だ。
そのことに気付かないふりをして、俺は友美を愛した。
そして付き合い始めて丸2年経った日、30歳というキリのいい年齢だという理由をつけて、俺はある行動に出た。
――結婚しよう。
友美に、プロポーズをした。