――それからは。

デートに誘っては、冗談を言うように告白をする。

……もちろん、告白は冗談なんかじゃなく、本気だったけど。


それを繰り返した甲斐があったからか、最初の告白から半年後。

ようやく、友美からOKの返事がもらえた。


飛び上がりそうなくらい喜んだことは、誰にも言えないけど。






覚悟はしていたけど、友美の心の中にはいつでも隼人がいた。

たぶん、俺のことは恋人として好きでいてくれてると思う。

でも……友美の中での一番はまだ、隼人だ。


そのことに気付かないふりをして、俺は友美を愛した。


そして付き合い始めて丸2年経った日、30歳というキリのいい年齢だという理由をつけて、俺はある行動に出た。


――結婚しよう。

友美に、プロポーズをした。