「……そろそろ帰るか」

「あ、うん……」


もうそんな時間?

海を眺めながらジェラート食べてからは、近くのショッピングモールをぷらぷらして、また海に戻ってきて、堤防に腰かけて他愛もないおしゃべり。

特別なことをしたわけじゃないのに、楽しくてあっという間だった。


夕陽に染まる圭くんを見上げる。

オレンジと圭くんの優しい笑顔がすごく素敵で、胸がきゅっとなった。


……返事、どうしよう。

今朝は断る気でいたのに、今は何か……そんな感じじゃない。

むしろ、断りたくないというか――


どちらにしろ、何か言わなきゃ、だよね……。


「……あ、の、圭くん……」

「ん?」

「えっと……」


圭くんの名前を呼んだものの、何て切り出せばいいのかわからなくて、言葉が出てきてくれない。

待っててくれる?って?

でもそれって、無駄に期待させることにならない?

じゃあ、ごめんね、って?

……今、悲しい顔、させたくない。


結局、私はどうしたいの?

わからない……

自分の気持ちが……。