*
プロポーズされた日から2週間。
圭くんは仕事が忙しいみたいで、あれからほとんど連絡も取れていなかった。
もちろんまだプロポーズの返事はできていないし、決まってもいない。
待っててくれるとは言ってくれたけど、このままずっと待たせるなんて、圭くんに悪すぎる。
明日会うから、返事しないといけないよね……。
……でも、考えれば考えるほど、兄の顔が浮かんでしまって。
そこで思考が止まってしまう。
この2週間、その繰り返しだった。
完全に無限ループに陥ってしまってるけど、誰にも相談なんてできないし……
トントン
「友美?入るわよ」
「あっ、うん」
部屋のドアが開き、母が洗濯物を抱えて入ってくる。
「あ、ごめんね?ありがとう」
「いーえ」
私はベッドから起き上がり、母から洗濯物を受け取る。
ふかふかでいい香りがした。
私はクローゼットを開け、無言で服を仕舞っていく。
実家だからと親にも甘えてばかりの私。
こんなんで結婚するなんて、っていう気持ちもある。
みんなはどんな風に結婚しようって決めるのかな……
相手のことがすごくすごく好きで、家のこともできる自信がついてから?
それなら、私は当てはまらない……