夜9時。
慌てて上がった仕事。
おろしたてのヒール。
降ってきた雨に、おりたたみの傘を広げて、
彼のもとに走った割には気持ちは冷えていて。

好きになりたかったのにな。

ふたりだけで会ってみてようやくわかったのは、
たった、それだけのことだった。