「どうして…」

彼は一度だって私に贈りものをしたことがなかった。

花の一輪でさえ。

ただいつも私が持って行くちいさなお土産を、
ふっと笑って受け取ってくれるだけだった。

もちろん指輪のサイズなんて知らないはず。

なのに。

どうして。