でも、玲美ちゃんはアタシの言葉を無視して

アタシより少し後ろの方に視線を向けていた。


そして、すごく驚いた顔をしていた。


一体何なの…?


アタシは思わず後ろを振り返ろうとした。


でも、振り向く前にアタシのすぐ横を通り過ぎ、

玲美ちゃんにそのまま抱きついたのは……


「玲美…」


低い声…青黒い髪、大きな背中…。

あぁ…間違いない。彼は……


「ひ…「ひゅーっ!」


アタシは思わず目を見開いてしまった。

目の前にいるのはアタシではない。