「雄星…アタシ行ってくる。ひゅーの所へ。」


アタシは家の目の前で又、引き返そうとした。

でも雄星は悔しそうに首を横に振った。


「ハルちゃん…無駄だよ。きっと…」


雄星は笑わなかった。ただ、アタシの

手を引き留めて雨に打たれていた。


「それは行ってみなきゃ分かんないじゃんっ!」


アタシは雄星の方を見て小さく笑った。

すると雄星は少し困った顔で笑った。


「後悔しないようにね…」


そう言って悔しそうにアタシの手を離した…。


アタシは傘を地面に落として走り出した。

いつも追いかけてた背中を又追いかけてる。