アタシは手に持っていたシエル・エトワレの

ケーキを雄星に渡した。


「雄星、アタシは…雄星が笑ってないと嫌。雄星が側に居ないと嫌。雄星が………」


アタシがその続きを言おうとした時、

雄星の言葉がアタシの言葉を妨げた。


「ハルちゃん…酷く我が儘だね?」


雄星はアタシの心を突き刺すように

そう言った。


あっ…そっか。通り過ぎていく時の中で

大切な事も全て目に見えなくなってたんだ。


アタシ…今、自分の事しか見えてない……。

自分の事しか………