振り返らなくてもわかる。
「…どうしていつもあたしがいるときに」
涙でボロボロの顔のまま、あたしは振り返った。
「だから、ここ。俺の特等席だから。」
冷血王子はベンチを指してそう言った。
「……今日だけはほっといて!お願いだから…帰って。」
なるべく優しくそう言ったつもりだったけど。
「いや。」
あっさり断られた。
「何でよ!?この雰囲気見てわかんないの?」
あたしがそう言うと、冷血王子は顔を歪ませた。
「だから、何度も言ってる。ここ。俺の好きな場所。泣くなら、他の場所でお願いできる、?」
そう、憎たらしく冷血王子は言った。