封筒は何だか昔、元がつけていた香水の香りがした。


相変わらず汚くて乱雑な字。
何一つ中学のときから変わってない。


今更これを読んだところで、あたしの気持ちなんて変わらないと思ってたのに。


あたしは持っていたスーパーの袋を落としてしまった。



「……美和、?」


心配そうにあたしの顔を覗き込む悠宇。

あたしは気がついて指先を目にあてた。


生暖かい涙が溢れ出ては止まらない。



何よ、この手紙。

アイツ、正真正銘のバカ?


「……い、今更…今更こんな手紙……。もう、遅いよ。遅いよ!!」



あたしは勢い良く悠宇の家から飛び出すとあの場所に向かった。