「……美和に渡したいもんあるからついて来て。」


悠宇にそう言われ悠宇の後について行くあたし。


着いた場所は……悠宇の家だ。


「……渡したいものって?」


あたしは悠宇の後ろに着いて行き家に入った。


悠宇は自分の部屋に入ると、引き出しを探っていた。


久しぶりの悠宇の部屋は昔と随分変わってしまって、無駄な物がなく何だか大人な部屋だ。

そんな部屋に少し、ドキっとしている自分がいた。


やがて、悠宇は探していた物が見つかったみたいでそれをあたしの前に差し出した。


「……手紙?」


悠宇があたしに差し出した物は少し古びた一通の手紙だった。


あたしはそれを受け取ると差出人を見た。


その瞬間、凍りついたように動けなくなって最近見るあの夢がフラッシュバックされた。