「……悠宇。」
そこに居たのは、悠宇だった。
悠宇はあたしに近づいて来たかと思えば、元のお墓の前で止まった。
その片手にはお花が。
悠宇もあたしと同じ考えだったらしい。
「……ここには来るんじゃないかって思って来てみればほんとに居たから驚いた。」
悠宇はお線香に火をつけ手を合わせた。
「ニナがお前のこと心配してたぞ。」
悠宇にそう言われ身体がビクッと震えた。
何度も電話をかけてくれていたニナを思い出すと、胸が痛んだ。
すると、悠宇は立ち上がりあたしの腕を掴んだ。
驚いたあたしに悠宇は何も言わずあたしを引っ張って行く。
「ゆ、悠宇……!?」
自転車を止めているところまで来ると悠宇はあたしの腕を離した。