すると、ニナはさらに顔を歪めた。


「どうして?どうしてそんなことが言い切れるの?」


何だか、いつものニナと違って目を背けられない。

だからあたしはグラウンドに目をやった。


「……だって、アイツはあたしに会いにこようとして事故ったんだよ?それは会うなってことでしょ?……だから、あたしは…行けない。」


あたしは乱雑な字の反省文をくしゃっとつかんで鞄を肩にかけニナをおいて教室を出た。



ほんとは、行きたい。でも、元のおばさんとおじさんに合わす顔がない。


殺したのは、あたしじゃないってわかってるけど、こみ上げてくる罪悪感がたまらない。

無理して笑顔で振る舞うおばさんとおじさんを見るのが辛くて仕方が無い。

それだからあたしだけが辛い顔してちゃダメなんだよ。



あたしは無言で剛本先生に反省文を押し付けて学校をあとにした。