悠宇いるかなーって眺めていたら、アイツが目に入った。


冷血王子……。


早いドリブルでどんどんとディフェンスを抜かしている。

その姿は、キラキラして輝いて見えた。


……なんか、好青年じゃん。

全然、冷血なんかじゃないじゃない。


サッカーボールを追いかけている冷血王子は眩しかった。

その姿は、ふいに元と重なって見えてあたしの胸を熱くさせた。


元もまだ生きてたら、こんな感じだったのかな……。



あたしは頬杖をつきながら部活風景を眺めているとガラガラーっというドアが開く音がして、あたしは反射的に振り返った。