「あっ!冷血……伊月君も茶髪ですっ!」

気づけば、あたしの口が勝手に開いてそう言っていた。


不機嫌そうにあたしを見る冷血王子。


「せ、先生!!冷血……い、伊月も怒ってください!!」


すると、剛本先生は少し顔を歪めた。


「……い、伊月はいいんだ。」


………はぁ?


「なんでですか?これが噂の贔屓ですか?」


あたしはキツく先生を睨んだ。


「伊月は!伊月は成績が学年トップだ。だから、何をしても許されるんだ!
お前も特別扱いされたかったら学年トップなることだな!反省文今日中に提出だからなー!」


意味のわからないことをいって先生は去って行った。


あきらか、特別扱いじゃなくて贔屓でしょ。

何よ、賢かったら何でも許させるわけ?
ありえない。


でも、現実はそうなんだよね。

賢かったら、なんでもおっけーな世界なんだよね。