あたしはハッと顔を上げた。


「伊月、もしかして……ドキドキしてるの?」


伊月の身長はやっぱり高くてあたしは見上げる形となった。



「……うるせ。黙れ。」


なにその顔……伊月じゃないみたい


「顔赤いよ?…なんで顔赤いの?なんで?」


「ちょっと黙れ。その口塞ぐぞアホ」


へへっ、なんか嬉しい。
伊月が照れてるなんてレアすぎる…!

可愛い……あたしは小さな声でつぶやいた。


「お前、その顔やめろ。」


「…へ?」


鈍感なヤツ。と伊月は言うとあたしを離した。


そして、伊月は着ていた衣装のジャケットをあたしの肩にかけた。