鉄の錆びたドアノブを回す。

立ち入り禁止と書かれたドアを開けた瞬間、ふわーっと風が吹きドレスの裾が翻った。



やっぱり……。


重いドアがガシャンと閉まったその音で君は振り返った。



「ぶっ……お前、丸見え」



「……へ?」



そう、伊月が指した先にはあたしのドレスの裾が風で翻って完全にパンツが丸見えになっていた。



「なっ!!///見んなアホ、変態!!」



「お前が見せてんだろ。こっちだって見たかねーよ」


伊月はそう言って柵に腕をのせあたしに背を向けた。


あたしは慌ててその隣に駆け寄る。



「あ、あのさ……アドリブ、付き合ってくれてありがと……」


「ふっ……まさかあそこであんなアドリブ言うとはな、俺を困らせやがって。あんなセリフ二度とごめんだからな」



「ご、ごめん……だってシンデレラになれって言ったのは伊月じゃん。シンデレラはきっとそう思ってたかなーって。」



夜の学校はいつもと違った雰囲気をだしていて新鮮だ。

屋上から見える運動場ではきらびやかにライトアップされたステージで告白タイムが始まっていた。