「それよりさ!緒形はニナに告んないの?」


「さーあ?どうだろ?」


緒形は意味ありげな微笑みを見せた。


「さ!オレも隠れるかー。かわい子ちゃんなら大歓迎なんだけどなー。しつこいやつ多いから」


緒形もタラシなわりには人気があるもんねー。


「お前もさっさと隠れて片付けでもしとけよー。」


「え?なんで隠れる必要あんの、?」



すると、緒形はまたもや笑い出した。


「あのなー。お前全然わかってねーだろ。まぁ、いいか。オレがもらってやるよ。」


少しずつ伸びてくる手をあたし叩き落とした。


「……え?意味わかんない。じゃああたし用事あるから!」

あたしは緒形をおいて体育館から飛び出した。



伊月どこなんだろ…体育館にはもちろんいなかったし教室にもいない……


他にも心当たりがあるところを探し回ったけど伊月は見当たらなかった。


でも、ただ一箇所。まだ見てないところが……


あたしは衣装のドレスのまま階段を駆け上った。